書類の作成・保存義務(5条書類)— 発注側が残すべき記録
公開: 2026年7月30日
下請法・取適法では、発注時に交付する書面(いわゆる4条明示)とは別に、取引の経過を記録した書類を作成し、一定期間保存する義務があります。
「発注書を出しているから大丈夫」と思っていても、この保存義務まで満たしていないケースは少なくありません。
本記事では、何を・どのくらいの期間残す必要があるかを整理します。
1. 4条明示と5条書類の違い
4条明示は「発注時に相手に交付する」書面です。 一方、書類の作成・保存義務(実務上「5条書類」とも呼ばれます)は、発注側が社内に「取引の記録として残しておく」ものです。
交付する書面と、社内に保存する記録は、目的も保存主体も異なります。両方を別々に管理する必要があります。
2. 記載しておくべき主な項目
- 給付の内容・受領(検収)日
- 下請代金の額・支払期日・支払日
- 減額・返品・給付内容の変更等があった場合の内容と理由
- 遅延利息を支払った場合はその額・支払日
日々の発注管理台帳に、これらの項目が漏れなく記録されているかを確認しておくと、保存義務への対応がスムーズになります。
3. 保存期間の考え方
作成した書類は、取引終了後も一定期間(実務上は2年間が目安とされます)保存しておく必要があります。
保存期間中に調査等が入った場合、書類の提示を求められることがあるため、担当者が変わっても参照できる場所に保管しておくことが重要です。
4. 電子データでの保存
書類は紙である必要はなく、電子データでの作成・保存も認められています。
Excel台帳やクラウドサービスでの記録でも問題ありませんが、後から改ざんされていないこと、必要なときにすぐ検索・出力できることが実務上のポイントになります。
まとめ
- 4条明示(交付用)と5条書類(保存用)は別物であり、両方の対応が必要
- 受領日・支払日・変更履歴等を記録し、保存期間中は参照できる状態を保つ
- 電子データでの保存も可能。検索性と改ざん防止を意識した運用が実務的
発注書面(4条明示)の交付タイミングはこちらの記事で整理しています。
本記事は制度の一般的な整理であり、法的助言ではありません。
個別の判断は弁護士等の専門家へご相談ください。
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