ダッシュボードKPI— 60日超過・未検収
公開: 2026年9月2日
発注台帳をExcelで管理していると、「今60日を超えそうな案件が何件あるか」を毎週手作業で数える必要があります。
ダッシュボードでKPIを可視化すれば、経理・購買・法務が同じ数字を見て優先順位を付けられます。
本記事では取適法対応の発注台帳ダッシュボードで見るべきKPI、特に60日超過・未検収件数の定義とアラート設計を整理します。
トリカク(torikaku) はこれらのKPIを標準画面で提供し、受領日未入力の取引もハイライトします。
1. 最優先KPI:60日超過・間近
1-1. 超過件数と金額
「支払期日<今日かつ未払」の行数と合計金額をダッシュボード最上段に表示します。
件数だけでなく金額合計があると、経営層への報告がしやすくなります。
起算の前提は支払60日ルールの起算点を参照してください。
1-2. 7日以内に期日到来
超過前の予防リストとして、「支払期日まで7日以内かつ未払」を別ウィジェットに表示します。
振込準備・承認フローに間に合わせるための早期警告です。
1-3. 受領日未入力
納品済みなのに受領日が空欄の行は、期日計算自体が止まっている状態です。
未入力件数をKPIに含め、ゼロを目標に週次で潰します。
2. 未検収・検収遅延KPI
2-1. 未検収件数
納品予定日または納品日を過ぎても検収完了していない行をカウントします。
検収遅延は支払遅延の前段階であり、意図的な起算日ずらしにならないよう注意します。
2-2. 検収完了から未請求
検収済みだが請求書未到着の行も別KPIにします。
受託者側の請求待ちなのか、社内の請求処理漏れなのかを切り分けます。
2-3. 平均検収リードタイム
納品から検収完了までの日数平均を部門別に見ると、ボトルネック部門が特定できます。
検収メール運用は検収完了メールと受領日起算を参照してください。
3. コンプライアンスKPI
3-1. 書面未交付
取適法適用取引で書面交付日が空欄の件数を表示します。
電子契約利用時も「交付完了日」の記録が台帳にあるかを確認します。
3-2. 記載事項不足
必須項目チェックリストでNGの行数をKPI化し、法務レビュー待ちキューと連動させます。
テンプレは記載事項のテンプレートを参照してください。
3-3. 適用判定未実施
新規取引先で適用Y/Nが未入力の行をアラートします。
判定フローは発注コンプライアンスのチェックリストに沿ってください。
4. ダッシュボード設計のコツ
4-1. ロール別ビュー
経理は超過・期日間近、法務は書面・記載事項、現場は未検収、経営は金額サマリ、と最初から見せるKPIを分けます。
4-2. ドリルダウン
KPI数字をクリックすると該当行一覧に飛べる設計にし、Excelエクスポートの手間を減らします。
4-3. 週次定例での読み方
月曜朝にダッシュボードを画面共有し、超過ゼロ・7日以内リストの消化を15分で確認する定例が定着しやすいです。
少人数経理向けルーティンは週次発注チェックも参照してください。
5. KPIアラートの閾値設計
5-1. 即時通知
60日超過1件でもメールまたはSlack通知を送る設定にします。
「ゼロ件なら通知なし」だけだと、設定ミスに気づきにくいため、週次サマリは超過ゼロでも送る方法もあります。
5-2. エスカレーション段階
7日以内→経理担当、超過1日→経理責任者、超過7日→法務・経営、の段階通知を設計します。
段階を決めておくと、個人の判断に依存せず対応が進みます。
6. 経営向けサマリの見せ方
取締役会向けには、60日超過件数・金額の月次推移、書面未交付件数、未検収件数の3グラフで十分なことが多いです。
詳細行は別紙CSVとし、会議では「今月ゼロを維持できたか」「未検収が増えた原因は何か」だけ議論します。
コンプライアンスKPIを経営指標に載せると、現場の入力協力が得やすくなります。
7. ダッシュボード運用チェックリスト
- 60日超過・7日以内・受領日未入力を毎週確認したか
- 未検収5件超で現場にエスカレーションしたか
- 書面未交付行を法務キューへ渡したか
- ロール別ビューが権限と一致しているか
- 月次サマリを経営または監査用に保存したか
8. 実務シナリオ
従業員80名のIT企業がトリカク(torikaku)ダッシュボードを導入し、週次定例で「60日超過0件・7日以内3件・未検収5件・受領日未入力2件」を確認する運用に移行した例です。
以前はExcelピボット作成に毎週40分かかっていた作業が5分に短縮され、未入力2件はその場で現場担当にアサインされました。
四半期報告ではKPI推移グラフを取締役会資料に添付し、コンプライアンス改善の定量効果を示しています。
8-1. 繁忙期の例外処理
年末商戦など発注が集中する時期は、7日以内リストの確認頻度を週2回に上げ、未検収KPIの許容上限を一時的に引き上げても、60日超過ゼロは維持します。
繁忙期終了後に未検収を一括処理する計画を事前に立て、検収遅延を常態化させないことが重要です。
9. KPIと改善サイクル
9-1. ベースライン計測
SaaS導入初月の超過件数・未検収件数・受領日未入力件数をベースラインとして記録します。
3ヶ月後に同KPIを比較し、運用改善の効果を数値で示せます。
9-2. 根本原因分析
未検収が増えた月は、部門別・取引先別にドリルダウンし、ボトルネックが検収権限者不足か納品遅延かを切り分けます。
KPI悪化の理由を週次定例議事録に1行残すと、監査時にも継続改善の証跡になります。
9-3. 目標値の更新
四半期ごとに「60日超過ゼロ維持」「受領日未入力24時間以内解消」等の目標を見直し、達成できない目標は現場負荷を考慮して調整します。
非現実的な目標は入力が形骸化する原因になります。
10. ダッシュボード導入初月のチェック
導入初月はKPI定義が現場に伝わっているかを確認し、未検収の定義ズレ(納品日基準か検収日基準か)を修正します。
アラートメールの受信者リストに経理責任者と購買責任者の両方が含まれているかも初月に点検します。
設定ミスで通知が届かないまま2ヶ月過ぎるケースを防ぐため、テスト通知を意図的に発火させることも有効です。
よくある質問
Q. KPIは何個まで増やすべきですか
最初は5〜7個に絞り、定着後に部門別KPIを追加します。
多すぎると誰も見なくなります。
Q. Excelでダッシュボードは作れますか
可能ですが、データ更新のたびにピボット再生成が必要で、正本ズレのリスクがあります。
件数が増えたらSaaS移行を検討してください。
Q. 60日超過1件でもアラートメールは必要ですか
はい。1件でも禁止行為のリスクがあるため、即時通知+週次サマリの両方を推奨します。
Q. 部門別KPIの分母は
部門配賦コードまたは発注担当部門でフィルタします。
配賦ルールは台帳列定義と会計で揃えてください。
Q. KPI改善目標の設定例は
四半期目標例: 60日超過ゼロ維持、受領日未入力48時間以内解消、書面未交付5件以下。
数値目標をRACI所有者に割り当てます。
まとめ
- 60日超過・7日以内・受領日未入力を最優先KPIにする
- 未検収・書面未交付を予防KPIとして並べる
- ロール別ビューとドリルダウンでアクションにつなげる
- 週次定例で数字を共有し、ゼロ件を維持する
注意
本記事は取適法・フリーランス新法に関する一般的な情報の整理であり、トリカク(torikaku) の機能説明を含みますが、法的助言ではありません。
個別の契約内容・取引実態については専門家にご確認ください。