下請代金の支払方法をめぐるトラブル傾向— 発注側が見落としがちな点
公開: 2026年7月29日
下請代金の支払いをめぐるトラブルは、発注側に悪意がなくても、認識の違いから起きることが少なくありません。
一般的に見落とされやすいとされるポイントを整理します。
1. 支払期日の起算点の誤解
支払期日は、発注日ではなく給付を受領した日を起算点に数えるという考え方が基本です。
「検収が終わってから60日」と誤解しているケースが見られますが、検収に時間がかかった場合でも受領日を基準に期日が進むとされている点は、こちらの記事でも解説しています。
2. 振込手数料の負担をめぐる認識のずれ
振込手数料を差し引いた金額を支払う運用が、発注側の慣行として続いているケースがあります。
下請代金を減額せず、契約で取り決めた全額を支払うことが原則であり、振込手数料相当額を一方的に差し引くと、減額に該当し得るとされています。
手数料を受託事業者側に負担してもらう場合は、あらかじめの取り決め・合意が必要という考え方が一般的です。
3. 相殺をめぐるトラブル
発注側が受託事業者に対して別の債権(貸付金・立替金等)を持っている場合、下請代金と相殺する運用が行われることがあります。
相殺自体が一律に禁止されているわけではありませんが、受託事業者の同意がない一方的な相殺は、実質的な代金の減額・支払遅延として問題視される可能性があるとされています。
4. 端数処理・複数請求のまとめ払いでの誤差
複数の発注をまとめて一括で支払う運用の中で、端数処理の方法が統一されておらず、わずかな金額差が積み重なるケースも見られます。
金額の小さな差異でも、継続すれば減額の指摘を受ける可能性があるため、計算ルールを社内で統一しておくことが望ましいとされています。
5. 台帳での一元管理で予防できること
発注ごとの受領日・支払期日・実際の支払日を台帳で一元管理しておくと、こうした認識のずれによるトラブルの多くは未然に防ぎやすくなります。
担当者の記憶や個別のExcelファイルに頼った管理は、見落としの原因になりやすい点にも注意が必要です。
6. 注意
本記事は一般的な傾向の整理であり、法的助言ではありません。
個別の支払方法・取り扱いが禁止行為に該当するかどうかの最終判断は、弁護士等の専門家にご確認ください。
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