← ガイド一覧

手形廃止2027年3月— 切替チェックリスト

公開: 2026年9月2日

2027年3月をもって、手形の記載・振出が廃止される見込みです。
手形払いに依存している発注・経理フローは、支払手段の切替と台帳・契約書の更新が必要になります。
2027年3月は「先の話」ではなく、契約更新・システム更改に数か月を要するため、2026年中の着手が現実的なラインです。
本記事では、手形廃止直前のチェックリストを整理します。

1. 手形廃止の概要

1-1. 2027年3月の意味

手形法改正により、新規の手形記載・振出ができなくなるスケジュールです。

既存手形の扱いは法令・実務指引を確認する必要があります。

詳細は手形払い廃止の実務も参照してください。

1-2. 代替手段

電子記録債権(でんさい)、銀行振込、期日指定振込等への切替が想定されます。

支払方法の整理は支払方法トラブルも確認してください。

2. 契約書チェックリスト

  • 支払方法条項に「手形」と書いていないか全契約を検索
  • 手形期日(満期日)を振込期日に読み替える改定案を作成
  • 改定版の交付・台帳更新日を記録
  • 取引先へ切替日程・手続を書面通知

3. 経理・台帳チェックリスト

3-1. 台帳マスタの更新

支払方法列から手形を削除(または非推奨化)し、でんさい・振込に統一します。

台帳運用は発注台帳の運用を更新してください。

3-2. 60日起算との整合

手形期日と検収日起算の60日の関係を再計算し、切替後も60日以内になるよう支払条件を調整します。

60日の数え方を照合してください。

3-3. 会計ソフト

手形勘定・手形決済の仕訳テンプレートを見直し、振込・でんさい用に差し替えます。

4. スケジュール例

4-1. 2026年上半期

手形条項を含む契約を一覧化。取引先ごとに切替方針(振込・でんさい)を決め、改定交渉を開始します。

4-2. 2026年下半期〜2027年前

経理システム・でんさい口座開設、支払マスタの更新。

2027年3月前に全取引先への切替完了を目標に、月次で未切替リストを確認します。

4-3. 取引先通知

切替日・新支払方法・口座・問い合わせ先をセットにしたテンプレートメールを用意し、送付日と返信確認日を台帳に記録します。

5. ケーススタディ

5-1. 手形堅持の取引先

「うちは手形しか受け付けない」取引先には、でんさいまたは期日指定振込を提案。

切替時期・代替条件を書面交渉し、合意記録を台帳に残します。

5-2. 社内承認フロー

手形承認フローを振込承認フローへ差し替え、承認者・権限・SLAを再定義します。

発注コンプライアンスのチェックリストに手形依存フラグを追加してください。

よくある質問

Q. 既存の手形はどうなりますか?

廃止前に振出された手形の扱いは法令・実務指引を確認してください。新規振出が止まる点が移行の焦点です。

Q. でんさいは必須ですか?

代替手段の一つです。振込のみで運用する取引先も多い見込みです。取引先のシステム対応状況で選びます。

Q. 取引先が手形堅持の場合は?

切替時期・代替条件を書面交渉し、合意記録を台帳に残します。2027年3月前の合意が必要です。

Q. 60日ルールは支払手段変更で変わりますか?

起算ルール自体は変わりませんが、期日の数え方が変わるため再計算が必要です。

Q. いつから準備を始めるべきですか?

2026年Q2までに全契約の棚卸しを完了し、未切替リストを週次で確認する目標が現実的です。

まとめ

  • 2027年3月手形廃止に向け、2026年中に契約・台帳・経理を棚卸しする
  • 手形期日から振込期日への読み替え時は60日起算を再確認する
  • 取引先通知・承認フロー変更・台帳マスタ更新をセットで進める

6. でんさい vs 振込の選び方

6-1. でんさいが向くケース

手形と同様に期日指定の支払が必要で、取引先がでんさいネットワークに参加している場合です。
口座開設・操作研修・手数料の確認が必要なため、2026年上半期から準備を始めます。

6-2. 振込が向くケース

期日指定振込(未来日振込)で代替できる場合、振込のみの運用がシンプルです。
銀行の未来日振込機能の有無・手数料・上限額を経理と確認し、台帳の支払方法マスタを更新します。

6-3. 混在禁止

同一取引先で手形・振込・でんさいが混在すると、経理・発注の両方で混乱します。
切替完了後は1取引先1支払方法に統一し、台帳で例外を許さない運用にします。

7. 部門別アクション計画

7-1. 法務・契約

全契約の支払方法条項を検索し、手形条項の有無をフラグ付けします。
改定版契約書のテンプレートを作成し、新規契約から手形条項を排除します。

7-2. 経理

手形勘定・手形決済仕訳の廃止計画を作成し、でんさいまたは振込仕訳への移行スケジュールを決めます。
会計ソフトのマスタ更新日を台帳と同期させ、テスト環境で試行振込を実施します。

7-3. 発注・購買

発注台帳の支払方法選択肢から手形を削除し、新規発注時に振込・でんさいのみ選択可能にします。
取引先通知テンプレートを購買部門全員が使えるよう共有フォルダに配置します。

8. 移行プロジェクトの進捗管理

8-1. 週次未切替リスト

手形条項残存・でんさい未開設・振込テスト未実施の取引先を週次で一覧化し、担当者・期限・ステータスを更新します。
2026年12月末までに未切替ゼロを目標に、月次で経営層へ進捗報告します。

8-2. テスト振込

本番切替前に少額テスト振込を実施し、入金確認日を台帳に記録します。
手形期日と新振込期日の読み替えが正しいか、経理・発注・取引先の三者で確認します。

9. よくある質問(移行編)

9-1. 手形割引はどうなる

手形廃止に伴い、手形割引の運用も終了方向です。でんさい譲渡・ファクタリング等の代替を個別に検討してください。

9-2. サプライチェーン全体の影響

下請け・孫請けに手形で支払っている場合、切替の連鎖が必要です。
再委託・孫請けの確認とセットで、支払手段の変更を通知してください。

10. 移行完了の定義

  • 全契約から手形条項が除去されている
  • 台帳・会計ソフトの支払方法マスタが更新済み
  • 全取引先へ切替通知を送付し、返信確認済み
  • 60日起算を切替後の支払条件で再計算済み

上記4点を満たした時点で「移行完了」とし、経営層へ報告します。

11. リスクシナリオと対策

11-1. 切替間に合わない

2027年2月時点で未切替取引先が残った場合、振込またはでんさいでの暫定支払手順を事前に決めておきます。
緊急連絡先・承認者・口座情報を台帳に登録し、担当者不在時も支払が止まらない体制を整えます。

11-2. システム不整合

会計ソフトと発注台帳で支払方法の選択肢がずれると、現場が誤って手形を選び続けます。
マスタ更新日を両システムで同期し、更新後1週間はテスト取引で動作確認します。

手形廃止は支払コンプライアンス全体の見直しの契機にもなります。
切替作業と並行して、全取引の受領日記録・60日管理が機能しているかを点検し、支払手段だけでなく期日管理そのものを強化してください。

12. 経営層への報告テンプレート

月次報告には「手形条項残存件数」「切替完了件数」「未切替取引先名(上位5件)」の3指標を載せます。
2026年Q4時点で未切替が残る場合は、2027年1月以降の支払停止リスクとして明示し、追加リソースの要否を判断します。
進捗が見える化されると、部門横断の切替作業が加速しやすくなります。

注意

本記事は取適法・フリーランス新法に関する一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。
個別の判断は専門家にご確認ください。

トリカク(torikaku) で試す

適用判定・取引先台帳・明示事項チェック・60日ルールの期日管理・メール通知を一箇所にまとめられます。無料プランは稼働中の取引先1社・発注記録 月3件までです。停止中の取引先は枠を消費しません。形式チェック・記録管理・期日管理のみを行います。メール通知の遅延・未達は保証しません。法令・ガイドライン改正時は判定ロジックを更新し、公開ページに案内します。

適用の形式判定だけ試す場合(ログイン不要): /check

← ガイド一覧